北欧にオーロラを見に行く前に知っておきたいこと
はじめまして
AMIYUMIーSandpaperーKITANO(アミユミ・サンドペーパー・キタノ)です。
北欧(ノルウェー)からこの記事を書いています。
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北欧に行けば、オーロラを見ることができる??
「北欧に行けば、夜にきれいなオーロラを見ることができる。」そんなふうに思っていた時期が、私にもありました。
実はオーロラを見ることができる場所、時間、気象条件は、とても限られていることをご存知でしょうか。私も、北欧に行くまではそのことをよく知りませんでした。
実際に北欧にオーロラを見に行った知り合いが何人かいますが、極寒の中で一週間くらい現地に滞在したのに、全然見ることができなかった、うっすらとした「オーロラっぽいなにか」しか見えなかった…という話も耳にしたことがあります。私の周りに限って言えば、あの写真で見るような美しい光のカーテンを実際に目にすることができた人はあまり多くないようです。
そんな運次第のオーロラ観光ですが、北欧でオーロラを見るためには、どんな準備をして、どこに行って、どのように現地で過ごすのがよいのでしょうか?
オーロラはどんなときに見える?
オーロラは、太陽から放出されるガス「太陽風」が、地球の磁場によって極地(北極・南極近辺)に運ばれ、大気圏に突入し、大気中の原子に衝突することによって発生する光であると考えられています。
北半球でオーロラをもっともよく見ることができるのは、「オーロラベルト」とよばれる、北極をぐるりと取り囲む高緯度の一帯。オーロラ観光の行き先としてよく名前の挙がるフィンランド、スウェーデン、ノルウェーはいずれも縦に長い国ですが、それぞれの国の中でこのオーロラベルトに入っている場所は、北の一部の地域のみです。
つまり、オーロラを見るには、ただでさえ寒い北欧の、いちばん北のもっとも寒い僻地まで行かなければならないんです(どのくらい寒いのかは、あとで説明します)。
また、寒いところに行ったからといって、必ず出会えるわけではありません。オーロラは、限られた条件のときにしか現れてくれないのです。
条件1:晴れている
オーロラの光は、雲よりも高い高度で発生します。雲があると光が遮られてしまうので、晴れていないと見えません。
条件2:周りが暗い
オーロラは光なので、周りが暗くないと見えません。多くのオーロラ観光のツアーが晩秋?冬?春先に行われるのは、緯度が高い地域は、この時期の日照時間が非常に短く、一日のほとんどの時間が「夜」のようだからです(夏にオーロラ現象が発生していないのではなく、発生はしているけれども周りが明るくてよく見えないだけなのです)。また、街の灯りなど、オーロラの光を邪魔する光がないことも重要です。
条件3:周りに視界を遮るものがない
オーロラは地平線近くにも現れることがあり、建物や木や山など物理的に視界を遮るものがない方がよいです。
オーロラが見られる条件まとめ
- 日照時間が短い時期(12月?3月あたり)の晴れた日
- 空が暗くなってから
- 街の灯りが届かない高台や、周りに木々のない広大な土地
こういった条件がそろった場所で観測するとチャンスが広がるということになります。
行き先の決め方
北欧でオーロラを見るならば、以下のような滞在先がポピュラーなようです。他にも穴場的スポットはあると思いますが、ここではよく名前を聞く代表的な場所を挙げます。
フィンランド:
ロヴァニエミ(Rovaniemi)、サーリセルカ(Saariselka)、レヴィ(Levi)
スウェーデン:
キールナ(Kiruna)、アビスコ(Abisko)、ユッカスヤルヴィ(Jukkasjarvi)
ノルウェー:
トロムソ(Tromso)、キルケネス(Kirkenes)、ナルヴィーク(Narvik)
アイスランド:
レイキャヴィーク(Reykjavik)
それぞれの場所で豊富なオーロラ観測ツアーが用意されており、日本からだけでなく、欧州からの観光客にも人気のようです。ある程度の大きさの街で街歩きや買い物も楽しみたいなら、ロヴァニエミ、トロムソ、レイキャヴィーク、スキーも楽しみたいならサーリセルカ、レヴィ、ナルヴィーク、氷でできたアイスホテルに泊まりたいならユッカスヤルヴィかロヴァニエミなど、目的や興味に合わせて考えてみるのも楽しいですね。
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何度も言いますが、オーロラを見ることができるかは運次第。オーロラ以外の魅力も楽しめれば、北欧への旅がより充実したものになるでしょう。
現地へのアクセス
先ほど挙げた街、どこへ行くにも日本からの直行便はありません。距離・時間的に最短なのは、フィンランドのヘルシンキで飛行機を乗り継ぎ、滞在地の近くまで行くことだと思われます(なお、挙げておいて何ですが、アイスランドは他の国とも離れたところにある島国で、行くのがちょっと大変です)。ヘルシンキへは、成田・中部・関西の各空港から、フィンランド航空と日本航空が直行便を飛ばしています。
オーロラ観光、実はお金がけっこうかかります
ご存知の方も多いと思いますが、北欧は物価が高いです。物によりますが、食べ物は日本の1.2~2倍くらいかかるイメージです。節約旅行者にはつらいところ。
渡航時期にもよりますが、費用は飛行機代だけでだいたい10万~15万円(エコノミークラス割引運賃)となっています。現地で1週間ほど滞在するのであれば、ツアー代、ホテル代、食費なども含め、最低で20万円くらいはかかると見ておいた方がよさそうです。
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なお、ノルウェーのトロムソとキルケネスに行くのには、同じノルウェーのベルゲンという港町から沿岸急行船に乗り、船からオーロラを見るという選択肢もあります。途中寄港やエクスカーション満載の、片道6泊7日、往復11泊12日の船旅です。料金は、片道が14万~48万円、往復が21万円~88万円(1/1?3/31の間の、2名1室の場合の1人あたりの料金)となっており、かなりお高いのですが、時間とお金に余裕がある方にはよいかもしれません。
現地通貨について
通貨については、フィンランドのみユーロが通用するものの、その他の国にはそれぞれ独自の通貨があります。
また、北欧諸国ではほとんどのお店でクレジットカードを使って買い物ができるので、現金はあまり必要ありません。ただ、路線バスに乗る場合などに備え、多少は現金を持っていた方がよいと思います。PLUSマークかCirrusマーク付きのクレジットカードかキャッシュカードを用意し、現地の空港や街中のATMで必要な額だけ引き出すのが、レートもよく便利でしょう。なお、クレジットカードで代金を支払うときや、ATMで現金を引き出すときは、暗証番号を入力する必要があります。
ちなみに、私の知る限り、北欧ではチップは必要ありません。基本的に明朗会計です。
現地の気候と準備
とにかく寒くて暗いです。オーロラ観光のシーズンである12月~3月の気温は、標高や天候にもよりますが、だいたいマイナス5度~20度程度です。緯度が高いので、日照時間もほとんどありません(白夜の逆バージョン)。
そんな過酷な気候の中、オーロラを見るために、長時間屋外で待ち続けることもあるわけです。日本での通常の防寒に加え、露出部位をできるだけ減らすことが必要です。個人的な経験から、顔と手先・足先をきちんと防寒することがとても重要です。例えば、以下のような装備が役に立つでしょう。
顔の防寒
・ニット帽(耳当て付きだとなおよし)
・耳当て
・口まで覆うマフラーやネックウォーマー
・スキー用のゴーグル
手の防寒
・フリースやThinsulateの裏地がついた厚い手袋(2枚重ねもいいかも)
足の防寒
・タイツや厚い靴下(2枚重ねもいいかも)
・足用カイロ
・スノーブーツ(内側に毛が生えているもの。底がすべらないもの)
体の防寒
薄めの衣類を重ね着して空気の層を多く作るとより温かいです。アウターはダウンコートが鉄板ですが、アウトドア用品メーカーがダウン並の防寒性能の中綿入りのアウターを出していたりするので、そういうものもよいかもしれません。
寒い中あまりに長時間屋外にいることは、ともすれば命に関わります。ときどき屋内で休憩するなどして、無理のない範囲でオーロラ観測を楽しみましょう。なお、屋内は基本的に暖房が効いていますのでご安心を。
また寒さでダメージを受けるのは人だけではありません。カメラなどの精密機器も、長時間極寒の屋外で使っていると、電池の減りが異常に早くなったり、調子が悪くなったりすることがあります。カメラをカイロで温めながら撮影する人もいるようです。撮影時以外は、ポケットの中などに入れておいた方がよさそうです。暖かい屋内に入るときは、気温差で結露しないよう、チャック式のビニール袋にカメラを入れてから持ち込むといいようです。
現地でオーロラが見れなくても最後にワンチャンスあるかも?!
また、現地でオーロラを見られなかった!という方にも、最後のチャンスがあります。
それは、帰りの飛行機です。行きの便は昼間に飛んでいて難しいのですが、帰りの便は、飛行中に夜を迎えるため、たまに飛行機からオーロラが見えることがあるのです。↓
実は私も、2014年1月初めにヘルシンキ→成田便に乗ったとき、シベリア上空で「今、当機の左側にオーロラが見えています」という機内アナウンスに遭遇したことがあります。アナウンスを聞いて飛行機の左側に人が押し寄せたので、機体のバランスの方が気になって、機体の真ん中の列の席に座っていた私は見に行けなかったのですが…。
進行方向左側の席を取れれば、運が良ければそんな素敵なサプライズがあるかもしれません。
何度も強調したように、オーロラに会えるかは本当に運次第。万全の準備をして、無理なく北欧の旅を楽しんでくださいね!
photo credit: April In-Flight Aurora via photopin (license)
photo credit: #5 Aurora 9 Nov via photopin (license)
photo credit: CA_061 via photopin (license)
photo credit: Un lugar donde descansar via photopin (license)
(著:AMIYUMI.S.K)
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